インフレになったら住宅ローンはどうなるの?得する?損する?

実はローンと世界の経済状態は大きく関わりがあります。現在、住宅ローンなどの高額ローンを抱えている人にとってはぜひ勉強してほしいのがインフレとデフレです。インフレとは世の中の物価が上がることですが、一方で物がよく売れるなど事業が好調になり、そのため給与も上がっていきます。インフレが起こるときは多くの場合、経済はよい状態にあります。しかし、問題点もあります。物価が上昇してもそれに給与の上昇が追い付かない場合もあり、その場合低所得層は生活が苦しくなることになります。もし日本がインフレになった場合、ローンはどうなるのでしょうか。

日本が今後インフレ傾向にあると仮定した場合、ローンはなるべく早く返済した方がいいのでしょうか。結論から言うと、日本経済がインフレ傾向にあるのなら急いで返済する必要はないということです。固定金利であれば、今後給与が上がっていくことを考え、今あせって返済する必要はないのです。住宅ローンを組んでいると早期返済のための繰り上げ返済をよくすすめられますが、必ずしも繰り上げ返済がいいとは限りません。余分なお金が大量にあるのならいいのですが、なけなしの貯金を繰り上げ返済にあててしまうと今後の生活が不安です。これからは高齢化社会で年金もあてにできませんし、医療費の負担も増えます。そんなときすぐに流動性のある資金がないと不安な老後を送ることになりかねません。

インフレ傾向ならローンは早めに返す方がいい?

繰り上げ返済をした場合、毎月の返済額を減らすか、返済期間を短縮するか選択できるのですが少額の繰り上げ返済の場合どちらもあまりメリットがないのです。100万を繰り上げ返済しても毎月の支払は数千円減る程度ですし、返済期間は数か月短縮されるだけです。そのために大事な貯金を使い果たしてしまうのは得策とは言えません。ただし、リタイヤするまでにローンを返し終わることは重要です。退職しますと年金暮らしとなりますので、そこからいくらか返済に充てるというのでは窮屈な老後を送ることになります。

変動金利型は固定型に比べて低く設定されていますが、インフレになればリスクを負うことも十分あり得ます。今後の経済状態に注意し、場合によってはローンの見直しや繰り上げ返済を検討する必要があるかもしれません。

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